長寿の村に硬水あり!

硬水の地域は心臓病が少ないという報告データが

人の健康には飲み水に含まれるカルシウム量が関係しているという報告がされています。
硬水の地域と軟水の地域で脳卒中の死亡率を比較した研究では、硬水地域の死亡率が低いことが1957年には岡山大学の小林氏により発表されました。1960年にはアメリカのShroeder氏が49州の調査から、硬水を飲料水とする地域は軟水地域に比べて、狭心症や心筋梗塞などの循環器疾患の死亡率が少ない傾向にあることを明らかにしています。
カルシウムは骨や歯を形成するほか、人間の生命活動を維持する大切な役割を果たしています。そのため、カルシウムが不足すると、必要以上に骨などから血液中に放出され、血管壁に沈着します。この状態が脳血管で起こると脳出血や脳梗塞に、心臓の血管で起こると狭心症や心筋梗塞を引き起こす原因にもなります。
これはカルシウム不足に体が対応しようとして、結果的に深刻な状況を招く「カルシウム・パラドックス説」として知られています。日常的にカルシウムの多い水をとることは動脈硬化や心筋梗塞といった血管の病気の予防になり、長寿につながるといわれています。

出典:「基礎知識からわかるミネラルウォーターBOOK 」
井上正子
取材協力
井上 正子日本医療栄養センター所長・医学博士・管理栄養士・元北里大学保健衛生専門学院教授

女子栄養大学卒業。昭和大学医学部生理学教室にて学位取得。
その後、順天堂大学医学部、女子栄養大学、日本大学松戸歯学部などの講師を勤める。
1973年に日本医療センターを設立し、地域に根づいた栄養教育や企業での栄養管理指導者として乳児から高齢者までを対象にオールラウンドな教育活動をするかたわら、テレビや雑誌などで栄養学的立場からアドバイスを行っている。

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